保護帽の取扱説明

物体の飛来・落下の危険がある作業

保護帽とは、頭部損傷、あるいは頭部感電による危険を防止または軽減するために使用される保護具で、厚生労働省が定める労働安全衛生法第42条の規定に基づく「保護帽の規格」に適合したもので、以下の検定基準に基づいて製造されています。

  • 保護帽を使用する際には、この取扱説明をお読みいただき、十分理解した上でご使用ください。
  • 保護帽は、法律(労働安全衛生法)で定められている危険な作業場所や、これに準ずる場所での作業で、頭部を保護するために使用するものです。
  • 保護帽は、労働省の「保護帽の規格」に適合するもので、型式検定合格品には「労・検」のラベルが貼付されています。
  • 「労・検」のラベルに記載されている「飛来・落下物用」とは、上方からの物体の飛来、または落下による危険を防止、または軽減するためのものです。「墜落時保護用」とは、倉庫に積まれた荷の上、車両の上等、足場または安全帯が使用できない場所からの墜落による危険を防止あるいは軽減するためのものであって、構築物や電柱等のような高所からの墜落による危険までも防止できるものではありません。「電気用」とは、使用電圧7,000V以下で頭部感電による危険を防止するためのものです。
  • 厚生労働省の「保護帽の規格」は、頭部の安全を確保するための最低限度の規準を定めたものであって、自ずから保護性能には限界があります。従って「労・検」のラベルは絶対的に安全性を保障するものではありません。ご使用にあたっては最大限の注意を払い、常に安全な作業ができるように、この取扱説明に従ってご使用ください。

保護帽の構造

保護帽は、帽体、装着体、アゴひも、衝撃吸収ライナー(KP)等の部品によって構成されています。これらの部品の一部でも性能が低下したり、または不足しますと、危険を防止または軽減することができなくなります。

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使用上の警告・注意事項

1.警告・注意の意味(安全上、大切なお知らせ)

keikoku この取扱説明の内容通り正しく守らないと、保護帽の性能を損ない、生命または頭部に重大な傷害を及ぼすことを意味します。
tyui この取扱説明の内容通り正しく守らないと、保護帽の性能や機能に影響を与え、頭部に傷害を及ぼすことを意味します。

2.警告・注意

keikoku:生命または重大な傷害を及ぼします。

  1. 「労・検」ラベルが貼付されていない保護帽は使用してはなりません。
  2. ラベルを確かめて、作業に合った区分の保護帽を使用してください。
  3. 一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しないでください。(衝撃を受けた保護帽は、性能が低下しているので、次に衝撃を受けたとき、頭部を十分に保護することができません)
  4. 絶縁保護帽は、6ヶ月毎に耐電圧性能の定期検査を行ってください。(安全衛生規則 第351条)
  5. アゴひもは必ず正しく締めて着用してください。(事故のときに保護帽が脱げて、頭部に重大な傷害を受けます)
  6. 保護帽を改造あるいは加工したり、部品を取り除かないでください。(保護帽は、各部品の全体のバランスで性能を発揮できるように設計されています。改造したり部品を取り除くと、頭部を保護できなくなります。)
  7. 保護帽を使用する際には「保護帽点検 20のチェックポイント」に従い、その都度必ず点検し、チェックポイントと符合するものは、ただちに交換してください。
  8. 保護帽の使用期限について、帽体の材質がABS、PC、PE等の熱可塑性樹脂製の保護帽は、異常が認められなくても3年以内、またFRP等の熱硬化性樹脂製の保護帽は5年以内に交換してください。
  9. 着装体は1年位で交換してください。構成される部品に劣化、異常が認められた場合は、ただちに交換してください。
  10. バイク等の乗車時には、絶対に使用しないでください。
  11. ヘルメットの着脱は、ホックでは行わず、ワンタッチバックルで行ってください。ホックの着脱を繰り返すと、ホックの保持力が低下して、本来の機能が失われる可能性があります。
保護帽は、使用することによって性能が低下します。また過酷な条件下において使用されるために、見た目以上に劣化が進んでいることがあります。性能が低下している保護帽は、緊急の危険に際して、保護性能を発揮することができません。

keikoku:保護帽の性能や機能に影響を与え、頭部に傷害を及ぼします。

  1. ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中ぐらついたり脱げやすく、保護性能を十分に発揮することができません。
  2. メーカー指定以外の部品・付属品を取付けないでください。(機能が低下したり、性能が損なわれます。)
  3. 着装体および部品の交換は、メーカーに相談の上、行ってください。
  4. 着装体、アゴひも等が汚れたときは、交換してください。交換するために保護帽を分解したときは、完全に元通りに組立ててください。
  5. 交換のために部品を取外したときは、部品類を紛失しないように注意してください。部品類を紛失したときは、他の部品で代用したり、部品不足のまま使用してはなりません。(性能が損なわれます)
  6. 炉前、乾燥炉内、投光器のすぐ近く等、高温な場所での長時間作業には使用しないでください。(材質が変質し、変色や変形を起こし、性能が低下します。)
  7. 夏期自動車内や暖房機の近くなど、50℃以上の高温になる場所や、直接日光の当たる場所に長時間放置しないでください。(材質が変質し、変色や変形を起こし、性能が低下します。)
  8. 冷凍庫等、低温な場所での長時間作業には使用しないでください。(材質が変質し、性能が低下します。)
  9. 保護帽に腰掛けたり、物を入れて運んだりしないでください。(保護帽が変形し、着装体、衝撃吸収ライナー、帽体等を傷つけ、性能が低下します。)
  10. 保護帽を床等に放り投げますと、衝撃で帽体の材質を傷め、性能が低下しますので、丁寧に扱ってください。
  11. メーカー指定以外の塗料を用いて帽体の塗装をしないでください。(帽体の材質が侵され、性能が低下します。)
  12. メーカー指定以外のラベル、ステッカー類の貼付をしないでください。(薬品、粘着剤等によって、帽体が侵されたり、耐電圧性能が低下します。)
  13. 帽体の汚れは、中性洗剤を湿した布で拭取り、清水ですすいだ布で拭いてください。(ベンジンまたはシンナー等の有機溶剤の使用は、帽体の破損、クラック、表面の溶け、シール剥がれの原因となり、また衝撃吸収ライナーの材質を傷めます。)

使用前の点検

  • 「労・検」ラベルを確かめて、作業に合った区分の保護帽を使用してください。
  • 「保護帽点検 20のチェックポイント」で点検し、少しでも異常が認められる保護帽は、使用しないでください。
  • 部品類に異常が認められた場合は、ただちに交換してください。(修繕をしないでください。)

保護帽点検 20のチェックポイント

このような保護帽は使用しないでください。

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このような場合、部品を交換してください。

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着用方法

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  1. かぶり方
    保護帽はまっすぐに深くかぶり、後ろに傾けてかぶらないようにしてください。(あみだかぶりをしないでください。)
  2. ヘッドバンドの調節
    ヘッドバンドは、頭の大きさに合わせて調節し、確実に固定してください。(ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中にぐらついたり脱げやすく、保護性能を十分に発揮することができません。)
  3. アゴひも
    アゴひもは緩みがないようにしっかりと締めてください。着用中は、ゆるめたり外さないでください。(事故のとき、保護帽が脱げて重大な傷害を受けます。)

※脱げ防止機構付耳ひも
耳ひもからアゴバンドを取外したときは、アゴバンドを脱げ防止テープに必ずくぐらせて、耳ひも本体に取付けてください。